働く時間
派遣社員の場合、就業時間や期間は選べ、残業のない企業や職場を希望することができます。そのため自分の時間が有効活用できるので、趣味や将来の勉強にも時間を割くことができます。しかし、契約が終わると仕事がなくなる不安定な面ももちあわせます。
一方、正社員は期間の定めがないため安定して働くことができます。しかし勤務時間は勤務先により異なり、残業を断るのが難しい状況もあり自分の時間を確保するのは派遣社員に比べ融通がきかない点があります。
2007年の労働力人口総数に占める女性の割合は前年と同じ41.4%。その状況下で労働力人口は2,763万人(前年差4万人増)と、4年連続で増加し続けています(労働白書より)。
これを受け、政府は仕事と家庭の両立支援対策として推進育児・介護休業法の普及などライフスタイルにあった仕事ができる社会を企業に提言しました。働きやすい正社員、特定派遣などを推進し、安定した生活を実現するチャンスは増える動きにあります。正社員への転職の厳しさは比較的緩やかになりつつあるといえるでしょう。雇用の機会という点では、悲観的になる必要はないのです。
仕事の内容
派遣社員の場合、あらかじめ職種を決めて働くことができ、決められた以外の仕事や契約に沿わない業務が生じることはありません。雇用契約を結ぶ相手が派遣会社であるため、職務内容について派遣会社を通して交渉することもできます。また、正社員では難しい大手企業でも派遣としてなら働くことができます。もちろん、仕事内容に限られた範疇ができてしまうので、責任の伴う仕事を任せてもらえないことがあります。
正社員の場合、会社が命じる仕事はすべてこなさなければいけません。同僚や上司とのコミュニケーションなど目に見えない業務も発生します。さまざまな職種をもちあわせる複合企業では、部署移動もありさまざまな仕事を体験することもあります。それだけに仕事の幅ややりがいを感じる機会は増えます。
派遣から正社員雇用契約移行についての企業調査によると派遣から正社員へ移行する際の決め手の多くは仕事内容であり、集中した理由として3つのパターンがあることがわかっています。
1つ目は専門職として専門技術・知識を理由に正社員雇用に契約を移行。
2つ目は数ヶ月間働いた後契約を結ぶ紹介予定派遣でコミュニケーション能力、実務能力に問題がなかったため正社員契約を結ぶパターン。
3つ目は派遣先企業がもつ「正社員になるのに必要な条件(学歴など)」が期間中に揃ったため契約に至るパターンです。
お金
多くの場合、派遣社員では時間給。交通費は多くの場合支給されません。ボーナスも派遣会社によっては支給があるようですがこれも多くの場合支給がありません。それに比べ、正社員は月給制が多く、ボーナス、交通費の支給もあり安定した収入が見込めます。
派遣社員の年収を正社員の年収と比べると、短期的には派遣社員のほうが多いということが言えます。派遣社員の場合、初めにもらえる時給が良かったとしても交通費やボーナスが給付されなかったり収入のアップがなかなか見込めないということがあります。また、休日の多い月と少ない月では収入に差が開いてしまいます。しかし、長期的に4、5年以上働くのであれば正社員の年収のほうが多くなるといえます。
正社員の場合は長期的に働くことによって収入のアップがある程度見込めます。また、福利厚生やボーナスなどの時間外収入や保障面を考えると派遣よりは高収入となります。ただし、専門職や高いスキルを必要とするクリエイティブ職種では、派遣のほうが有利である場合もあり一概に正社員が良いとは言えません。つまり特定の専門職でない限り、正社員のほうが収入の面では良いということになります。
福利厚生
派遣社員の場合、正社員と違うところは社会保険と雇用保険にあります。就業条件によっては契約できるところもあります。
この福利厚生は会社によってまちまちな状況が多く、そのため正社員が派遣社員をどう見ているのか、企業が派遣をどのように扱っているのかを見るバロメーターになっているのです。食堂、診療所、スポーツジムなどの利用範囲を細かく見てみましょう。小さなことに思えるかも知れませんが、派遣は臨時だから福利厚生なんていらないだろうと考える企業と貴重な戦力だから福利厚生は必要だろうと考える企業の差は大きいと思いませんか?
福利厚生があまりにひどい派遣先は派遣社員を下に見ている可能性がありますし、働きにくい環境である場合が多いでしょう。また、正社員とほぼ同等の福利厚生を設けている派遣先では仕事力を認めてくれる視点をもっているといえるでしょう。
派遣なのか、正社員なのかでどちらが有利なのかという考えだけでなく、企業の姿勢、しいては将来性や企業力を比較すると良いのではないでしょうか。
リスク回避策
正社員になることを前提に派遣を始める方は増えていますが、中には派遣期間の3年を過ぎると契約を切られた。2年目になっても何の進展もなく不安だという声があがっています。正社員への道がなかなか厳しいといわれる由縁はこのジレンマとの戦いでもある派遣期間にあります。派遣期間である3年が経ちその後の派遣先からの返答を待てずして2年目から次なる派遣先を考え始める人も多いといいます。
リスクをいかに回避するのかが派遣先を決める、しいては良い派遣会社を選ぶ決め手になります。インテリジェンスの人材派遣では派遣期間を「原則半年とする」と明記しています。つまり、すぐ先にある将来について安心して考えることができ、設計図を立てやすいことになります。しっかりした会社が仲介に入ってコーディネイトしてくれるので、明確な目的や意欲をもって不安なく仕事にうちこむことができます。一度、相談してみてはいかがでしょうか。